もっと貪欲に、いろんなことを吸収していこう。

最近の活動の様子です。

ここでは主に2年生が国際美術展に出品する作品を鋭意製作中です。

こちらでは高橋先生がなにか指導していますね。

というわけで、絵画の1年生たちは、基礎練習として自画像を油彩で描いているのでした。

めっちゃ真剣…!いい目をしています。こんな一生懸命やっている顔を見ると、こっちもワクワクしてきますね。今後がとても楽しみです。

ずらりと並んでソーシャルディスタンス…!なんか良くないですか、この光景。

静物デッサンを描いている部員も。川上先生から指導を受けています。描いて描いてどんどん上達するのだ…!

鏡を見ながらの自画像は、案外難しいもの。ただでさえ自画像って中高生は最初苦手とする題材。そもそも自分を見つめるっていう行為が一番恥ずかしいと思ってしまう世代ですから…。

でも基本なんですよね。巨匠と呼ばれる画家たちも、自画像をたくさん描いてきました。基本無くして応用はありえないのです。

頭像を制作していた一年生も、だんだんかたちになってきています。いいね!

彫塑は特に、触感による観察が必要になってくるかと。自分の顔を作るのであれば、自分の顔を触りまくって、ああこういう厚みなんだ、こういう骨格なんだということを理解することが重要です。
骨があって肉が乗る。皮膚が張る。イメージでやると思った以上に小さくまとまってしまいます。ボリューム(量感)とマッス(塊感)を掴む。少しずつ理解していけるといいですね。こちらも楽しみですな。

そして絵画一年生は、その後高橋先生の指導のもと、色彩研究を行っていました。

もう完全に「授業」です。教えたいことって、山程あるんですよね…。
あ、顔出しNG笑

油絵の具って、混色する色の選択で様々な色味を見せてくれます。
例えば単純に「青」と「黄」を混ぜたからといって「緑」になる、というわけではありません。「青」にもいろいろあるし、「緑」にもいろいろある。透明色や不透明色もあるし、オイルの調合や量で色もどんどん変化していきます。

このあたりは私はあまりよくわかってない部分もあったりして、見ているだけでこちらも勉強になります。
こんなことを高校で細かく教えてもらえるって、なかなかないんですよ…いいなぁ…。
きっとあとからわかると思う、このことがどんなに幸せなことなんだってことが。教えてもらえるのが当たり前じゃないんですよ。。

そして、静物デッサンを描いていた部員は、いよいよ静物画を描き始めようとしていました。

よく見て、構図を上手に組み立てて、しっかり勉強してくださいな^^みんな楽しみですね!

そして、メディア組はというと…。。あ、、この写真ではちょっと密ですね…。。iMacはたくさんあるので、皆さん離れて使うようにしましょう…!

で、先日いただいたネームプレートに入れるための名札をIllustratorで制作。Illustratorの使い方とレイアウトの基礎をちょっとだけレクチャーしました。

Illustratorってホント最初は敷居が高いアプリケーションで、Photoshopは割と初めてでもなんとかなるんですが、Illustratorは「作りたいもの」がはっきりしていないと何していいかわからない上に、独特の用語や操作方法がたくさん出てくるのですごく苦戦するんですよね。

私も最初は本当に苦戦しまくって、たくさん本を読んだり当時デザイナーをやっていた弟にいろいろ教えてもらいながら勉強したものです…。
でも、使いこなせるようになると、なんでも作れる最強のアプリケーションだってことに気づくんですよ。これ、教員はみんな使えるようになったほうがいいんじゃない?って言いたいくらい、すげーソフトなんです。そして、高い笑
せっかくプロのツールであるIllustratorとPhotoshopがあるので、ぜひともこれらを連動させて使いこなせるよう、いろいろなことを教えてあげた過ぎてウズウズしています。。

今に手描きのアナログな雰囲気をIllustratorでやりだす部員が出てくるといいなぁ…。

そして今は、動いている人物をムービーで撮影し、それをスクリーンショットで切り出した画像をもとにPhotoshopでトレースするという課題を出しています。

これはちょっとトレースとは違ったやり方で人体構造を理解しようとしている様子。

トレースをすることにより、よくある「単純に横から見た人物イラスト」ではなく動きのあるポーズの描き方を体感することができます。

今回は最終的にはこれをタイムラインでつなげて簡易的なアニメーションを作るところまで持っていきます。といっても8コマなので瞬間的なアニメ、ですが。

この手法は、動画をもとに切り出した画像から8コマのトレースを作成、それを連続してアニメーションを作成する「ロトスコープ」というもの。有名どころではアニメ「かぐや様は告らせたい」のエンディングで使われている方法です。

このスカートのひらひらした動き、細かい指の先の表現…。想像力だけではどうにもならない領域までいってることがわかるかと。。
これはダンサーの動きを切り出してトレースしたものを使って作られているんですが、なんと原画枚数845枚で1分40秒ほどのアニメーションを作っているのです。ということは、1秒で約8枚の絵が動いている、ということ。
基本アニメーションは使い回せるカットなどを使ったりCGを組み合わせたりして効率的に作ることが多いんですが、これは実際にすべてを描いた、ということなんですよね。

例えば某プリキュアのエンディングのぐりぐり動くアニメーションはCGを使っていることで有名なんですが、あれを作るにはとんでもない性能のPCが必要で…まぁ説明するとキリがないので割愛しますが、この「かぐや様は告らせたい」のエンディングは、とにかく気合いの「手描き」です。あまりに気合いが入りすぎているので、某所では大騒ぎになったりしていたようですが…とにかくすごい。これ、、、人間が一枚一枚描いてるんだぜ…。。

でも、その「すごいこと」も、基本的には今回取り上げた課題を積み重ねていくことでできる(理論上は)わけです。
誰かこれやんなよ。アニメーション作りたいなら、ここまで気合い入れなきゃ。って個人的には思うわけです。

といいますか、このアニメーションの話はもちろん、前述の色彩研究やさらに言えばデッサンなんかも言わずもがな。これらはすべて「基礎」であり、そしてすべての応用はしっかりと構築した「基礎」の上に成り立つもの、なんです。

まぁデッサンは本当に超基礎であり、デッサンを通して「目」を鍛える、すなわち「観察する」ということは、美術の根源に関わるレベルで重要な事柄なんですが、己の「感性」を育てる、「発想力」を身につけるためには、やはり個々の日々の勉強が必要なんですよね。

自分の中の引き出しをすべて信じて、持っている力ですべてやる。
言葉で言うと格好いい気がしますし、それが創作活動だろ、と思う高校生は少なくないと思いますが、君たちの引き出しの中身は申し訳ないけどまだまだスッカスカですし、もっともっといっぱいいろんなものを入れられるはず。過去にも未来にも広がっているのび太の机の引き出しみたいなもんです(四次元ポケットでも可)。

自分が「知らない」「わかっていない」ということを理解する。「わからない=興味が持てない」のではなく、「わからないからこそ理解してみよう」と思えることこそ重要なんです。
だから、好きなことだけではなく、貪欲に様々なことにトライして吸収していくことが、自分を成長させるきっかけになる。かのソクラテスが残した「無知の知」。「己がいかにわかっていないかを自覚せよ」ということは、まさにそのことです。

厚高美術部は、美術にまつわるいろいろなことをたっくさん学べる場所。「部活動」として、頑張ってみませんか。趣味の延長ではなく、ね。

そして、奇しくも札幌北陵高校美術部ブログでもおんなじようなことを書いてたんですよね…。

【美術部】0から生み出せる芸術なんてない~210510
(札幌北陵高校美術部ブログ「屯田7条8丁目」)

ゼロから生み出せる芸術なんてない…うーむ、まさにそのとおり。「好きなことをやる」っていい言葉だしそのとおりなんだけど、「本気でやる」となると、「作品」を生み出すためには「知識の蓄積」が必要なんだよな…引き出しだよ、引き出し…。広い世界を「知る」って、とても大事なのよ。
美術をやってきた人間は、皆同じようなことを考えるものです…。そういうことなんだよ、諸君。
大人になったって、日々勉強なのです。逃げられないのだ、勉強からは。
 
 
 
あーまた長くなってきた。相変わらず辞め時がわからん…。。
 
 
 
とりあえず、そういうことです笑
いっぱいいろんなことやって、その中から取捨選択して、新しい創造につなげていきましょう…!美術なんて、何やってもいいんだからね!なんでもできるのが美術なんだ!そのために、いろんなものを見て触って遊ぼうぜ!ってことで。
 
 
 
 
おまけ。

先日帰り際に美術準備室の机の上に置かれていたものです。
この一筆がいいんですよね。こういうちょっとした気遣いができるかどうか。いい「学び」をしているなぁと心から感じましたわ。高橋先生、愛されてますなぁ…!笑

さらなるおまけ。

部活終了後にメディア室にやってきた部員がおもしろい話ばっかりして大笑いしている様子。
実にほほえましい…笑 こういうひとコマも大事なんだよね。高校生っていいなぁ、ホント。。

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